IoT(モノのインターネット)を支えるモバイルネットワーク

IoTビジネスで成功を掴もうとするモバイル通信事業者のネットワークに欠かせないのが、自動車や製造業等で求められる低遅延性の確保と、無数のセンサーとの接続性の実現です。また、そこで大規模に展開されていくマシンツーマシン型コミュニケーションに対応した、様々なアプリケーションにおける高度なセキュリティ要件を満たすため、新たなネットワークやテクノロジーを採用していく必要があります。

IoTに最適な接続性を提供するLTE-Mと5G

インターネットに接続するモノの数が、インターネットに接続するヒトの数の10倍から100倍をも上回る時代が、近いうちに訪れると予測されています。

しかしながら、既存のネットワークやモバイルデバイスでマシンツーマシン型コミュニケーションに対応するのは困難です。IoT(モノのインターネット)の実現には、膨大な数のセンサーや機器を接続し、ギガバイト単位のデータをオンデマンドで配信できるネットワークが必要となります。加えて、クリティカルアプリケーションが求める超高信頼性とトランスミッションの低遅延性を達成しなければなりません。

新たなLTE規格であるLTE-M(LTE for machine-to-machine)は、大規模なセンサーネットワークで発生するマシンツーマシン型コミュニケーションのニーズに対応します。LTE-Mのバッテリー寿命は10年以上、カバレッジは従来のLTEの4倍で、非常にシンプルなチップセットによりデバイスコストも低く抑えることができます。無数のセンサーやマシンは建物の壁の内側や遠隔地に配置されることが多いため、経済性は特に重要な要件となるのです。

LTE-Mは5Gネットワークに統合される要素技術と考えられています。これにより、移動手段をはじめ、身の回りの公共及び私的インフラ、サイバーフィジカルシステムを導入した製造手段等に革新をもたらすアプリケーションを実現します。

ノキアは、新たに5G mm/cm(6.5~100GHz)波無線システムのプロトタイプを開発し、きわめて高いスループットと数ミリ秒(ms)のレイテンシというヒトとモノの双方のニーズを両立させることを目指しています。5Gネットワークはヒトとヒトをつなぐだけでなく、建設や保守作業における視触覚フィードバックを瞬時に同期させてロボットの遠隔操作を行う等、様々なIoTデバイスに活用されます。

5GネットワークにLTE-Mを統合していくことで、消費者の購買行動やビジネス及び公共機関のあり方、働き方に変革をもたらし、様々な分野で新たなビジネスチャンスを生み出していきます。

デバイスの増加による新たなセキュリティ脅威

モバイルネットワークに接続されるデバイスの増加と共に、セキュリティに対する脅威も増大します。ハッカーは、IoTデバイスを悪用する新たな犯罪ツールを作り出し、より大規模な標的に対して攻撃を仕掛ける恐れがあります。

例えば、ホーム・セキュリティ・システムや車載アプリケーションにとってこれは非常に深刻な脅威となります。ネットワークのセキュリティにおいて、安全かつ高信頼なIoTデバイスの運用を実現することが重要です。

IoT向けネットワーク・セキュリティ・ソリューションの拡大

ノキアのMobile Guard等のセキュリティソリューションは、デバイスプロファイリングを通じてマルウェア感染やIoTデバイスの異常な動作を検出します。デバイスがハッキングされ、プロセッサやインターネットが攻撃に利用されたことを察知した場合、その影響を最小限に抑える措置を取ります。

通信事業者はデバイスのマルウェア感染による被害を抑制し、運用コストを削減すると共にサービス品質を維持することができます。感染の検出から対処までの時間を短縮することで、マルウェアトラフィックの少ない「よりクリーンな」ネットワークを実現します。

IoTの接続性とセキュリティの相乗効果

IoTは多くの可能性を秘めています。車、腕時計、シャツ、工場の機械やパーキングシステムといった身近なモノがインターネットに接続されることで、様々な情報を自動配信し、ユーザの要求に応え、行動や働き方を学習できるようになります。そのためには適切なネットワーク接続性と、IoTに対する脅威を排除するハイレベルのセキュリティ対策が不可欠です。5GとLTE-M、さらにセキュリティテクノロジーを適切に組み合わせることで、モバイルネットワークはIoTのコミュニケーションを支えるプラットフォームとなります。