ベンダエンジニア座談会2015

2015年は5Gの形が見え始める年

2015年は5Gの形が見え始める年1

野地: 最後に2015年を見据えて、来年注目すべき技術、キーワードがありましたらお願いします。

高橋: 気になっているのは、音声以外のギャランティビットレート(帯域保障)サービスですね。皆さんVoLTEというと音声というのですが、もう少し広げると、VoLTEは3GPPで規定されているQoSレベルであるQCIのうちの1つです。QCI1番から4番までがギャランティビットレートで、音声はQCI1でこれがVoLTE。QCI2がテレビ電話、QCI3がリアルタイムゲーム、QCI4が動画です。

W-CDMAの初期にテレビ電話のサービスが実装されて、みんな「すごい」と驚きましたが誰も使わなくなりましたよね。2015年にはこれがもう一度陽の目を見るのではないか、音声だけではないコミュニケーションサービスをやらないといけない時がきたのかなと考えています。

冨永: テレビ電話もアプリケーションの1つとして、LINEやFaceTimeでもできますが、やはり輻輳している時は使いづらかったり、画像が落ちることもあります。しかし、ギャランティビットレートを使えば、そこが保証されているので、キャリアグレードのサービスとして差別化になるのではないでしょうか。ストリーミングも同様の可能性があると思います。

柳橋: 先ほどの話と多少重複しますが、2つキーワードがあります。1つは、VoLTEがサービスインしたオペレータと、まさにしようとしているオペレータがいる状況ですが、2015年の1つのキーワードは、その先のVoLTEローミング、VoLTE相互接続。2015年はまだ商用サービス開始には至らない可能性が高いですが、具体的な検討段階に入る時期になっています。

もう1つは、NFVが本格的にはばたく時期になるので、場合によってはフィールドトライアルまでいく可能性があると思っています。それに付随するようなシステムやソリューションが、我々としては提案の対象になるのかなと思っています。あまり新しいことではないですが。

野地: ちょっと観点が違うかもしれませんが、オペレータ各社は今後設備投資を抑える方向に動いています。特にソフトバンク様は米国に投資を振り分けるという方針ですし、NTTドコモ様も今後は設備投資を6500億円以下に抑えるという方針を宣言されています。

これが意味しているのは、ある程度LTEのロールアウトが一巡して、ネットワークかなりできたということで、今後は各社ともになるべく投資を抑えてネットワーク品質を高めたり、新たな付加価値をつけていく方向にシフトしているということかと思います。
競争の観点が、今までの「つながりやすさ」のようなことから、例えばVoLTEのような、ネットワークの付加機能にシフトしてきているのではないでしょうか。我々としても、差別化要因になるような技術をご提供していく必要があると思っています。

冨永: 野地さんから指摘があった通り、無線側でも、LTEの投資というのは一巡していて、日本ではどこでもLTEが使えるようになりました。次に我々の競争に入ってくるのは、キャリアアグリゲーションだと思っています。 それから、どう効率良く投資するかも含めて、ソリューションとしての提案が必要になってくるとも考えています。

エンドユーザ様の指標についても、ネットワークを評価する指標についても、今後は変わると思われますので、そこになるべく合うような、オペレータの問題を解決するソリューションが必要になると思います。

2015年は5Gの形が見え始める年2

あと追加として、やはり将来的な技術というものを忘れてはいけないと思っていますので、5Gについても。
2014年はようやくラボ試験が始まった状況ですが、2015年にはもう少し新しい技術の評価結果、そして5Gはどのようなものかという形が見えてくるのではないかと思います。

ヴェリマッティ: 個人的はM2Mに興味があります。仕事としては、パートナーとの協力で様々なアプリケーションをお客様にご提供していきたいと考えます。現在はそれほど大きなビジネスにはなっていませんが、2015年から本格的に始まると思います。

冨永: あと、2015年といえば忘れてはいけないのが、1月に完了したパナソニックシステムネットワークス(PSN)のキャリア向け無線ネットワーク部門に関する事業統合です。PSNはRANの先駆ベンダで、ノキアとは長年パートナーとして一緒にやってきましたので、1つのチームになれるということにかなり期待をしています。NTTドコモ様とのビジネスについてはもちろん、他のオペレータとのビジネスについても相乗効果があるのではないかと思っています。

野地: 2015年末にはWRC-15というグローバルな電波の割り当てを決める会議の中で、6GHz帯以下の周波数の割り当てが決まるとも言われており、いよいよ最初に5Gとして使える周波数が決まってきます。2015年は、今までぼんやりとしか見えていなかった5Gの形が少しずつ見えてくる年になるのではないでしょうか。今後ともよろしくお願いします。