通信データの収益化 –TDaaSの市場規模は2020年までに790億ドルに

通信事業者は、位置情報、利用状況、個人情報以外の加入者のセグメンテーションデータなど、自社ネットワーク内の情報をサードパーティに販売し新たな収入を生み出すビジネスを独自に始めています。このビジネスにおける効果的な方法は、サービスとしてのビジネスモデルか、加入者の信用を保護しつつ収集したデータを使用することができるTelecom Data as a Service(TDaaS)となるでしょう。

TDaaSの可能性と通信事業者が直面する課題

TDaaSは非常に将来性のあるビジネスです。451 Researchが2015年5月に実施した調査では、TDaaSの市場規模は2020年時点で790億ドルに達すると見込まれています。しかし、現在のやり方のままTDaaS市場に対応した場合、その可能性を最大限に生かすことは難しく、790億ドルの4分の1程度の売上しか期待できず、最大590億ドルの売上機会を失うことになります。

一部の大手事業者は既にTDaaSのサービスを開始しているものの、そのほとんどは十分なスキルがなく、データの抽出及び分析の複雑さやサービス提供のためのパートナー不足といった問題に直面しています。さらに、着手している企業の多くが、サービス向上やビジネス拡張のためのより高品質なプラットフォームを必要としています。

モバイル広告、近接マーケティング、位置情報分析、競合ベンチマークなどの情報は、特に小売業、サービス業、金融業、広告業、政府向けのビジネスとして大きな収益となる可能性があります。特に有望とされているのが、モバイル広告(451 Researchの調査による売上規模は56億ドルから193億ドルに拡大)及び、近接マーケティング(41億ドルから154億ドルに拡大)の2つです。

ビジネスの成功には、専門家との緊密なパートナーシップが必要

この市場の機会に、通信事業者が単独で取り組むのは容易ではありません。必要なデータの全てと十分なカバレッジを提供できないからです。このビジネスを成功させるには、複数の事業者間の緊密なパートナーシップが欠かせません。

TDaaSは、今までにないスキル、プラットフォーム、そしてリソースを要する全く新しいビジネスなのです。

現時点で実現可能なサービスに、政府や公共安全機関が直近で起こりうる脅威に対して速やかに警告を行うためのデータ提供が挙げられます。2015年初めにノキアは、政府の規制に準拠しつつ公共利益のために通信事業者データを利用可能とする、緊急警報ソリューションを発表しました。

ターゲティング広告の品質向上

通信事業者のマーケティングを支援するNokia Ad Analyticsは、消費者向けの広告メッセージのターゲティングと広告効果の向上を実現するため、匿名化された情報の収集と拡充を行うソリューションです。

まずネットワークから適切なデータを抽出匿名化し、広告代理店が指定したターゲットセグメントにしたがってこれを分析、さらにマップから位置情報、公共ソースから人口統計データを追加し拡充します。複数の広告ユースケースに対応しているため、例えば屋外広告や電光掲示板のメッセージの配置を最適化することも可能です。オンラインマーケティングでは、モバイル利用者のライフスタイル、習慣、ステータス等に沿った適切なプロモーションを行うことができ、あるアジアの広告主は、Nokia Ad Analyticsによってコンバージョン率が5倍に拡大すると見込んでいます。

ビッグデータ・サイエンティストによる支援

Nokia Big Data Consultancyでは、ノキアのビッグデータ・サイエンティストがデータの分析とインサイトの把握を支援します。これはビッグデータ・アーキテクチャ、ネットワークデータ・インサイト、分析モデリング、価値実現アプローチなどにおいてノキアがこれまでに蓄積した分析及びCEMの専門知識をベースとしたサービスで、通信事業者のコスト削減、カスタマーエクスペリエンス向上、収益の拡大を支援します。

ノキアはビッグデータ・サービスをより拡充する事で通信事業者による巨大なTDaaS市場への参入と開拓を支援し、「データの収益化」を実現することに貢献します。