ロイヤリティスコアについて知っておくべき3つの事実

ロイヤリティスコアは、加入者の声に確実に耳を傾け、ネットワークやサービスの品質を改善し、さらにはロイヤリティそのものを高めて収益性を向上するために役立つ指標として、世界中の通信事業者の間に浸透しつつあります。実際にどのような形でロイヤリティスコアの活用が進み、効果を上げているのか。通信事業者に対して実施した最新の調査結果から得られた「3つの事実」をまとめました。

SMSのサンプリングやアンケートを通じて、通信事業者が加入者に対して「利用しているプロバイダを友人や同僚に勧めるかどうか」を調査する、いわゆるNPS(ネット・プロモータ・スコア)を把握しようとする動きが広まっています。こうしたNPSを含むロイヤリティスコアは当初、経営層による顧客重視の経営方針や、ヘルプデスクの顧客満足度調査等、組織の一部で利用されるものでした。しかし、今ではロイヤリティスコアの利用は、通信事業者の組織全体に浸透しつつあります。加入者の声に確実に耳を傾け、サービス品質を向上し、さらにはロイヤリティそのものを高めて収益性を向上するために役立てられています。

 

満足しなければ解約 : 世界中の加入者の40%以上が、料金が高くなるとしても、プロバイダは高品質のネットワークやサービスを提供するべきだと回答しています。

効果的にロイヤリティスコアを利用できれば理想的ですが、実際に加入者の要望を把握するのは簡単なことではありません。通信事業者にとって困難なのは、カスタマーエクスペリエンスの向上を目指す分野において、ロイヤリティスコアのうちどの要素が最も大きな影響を及ぼすのかを見極めなければならないことです。以下に最近の通信事業者に対する調査結果を「3つの事実」としてまとめました。

事実1. ロイヤリティスコアは定着しつつある

NPS等のロイヤリティスコアは、顧客満足度の可視化を目的として、まず最初に経営層やマーケティング部門に導入されるケースが多く見られます。それが時間の経過に従い、顧客重視の取り組みの効果を測定するための全社的なツールへと発展しています。ロイヤリティスコアの低下は、経営側への警告を意味します。また、NPSは従業員に対するボーナス支払いの評価基準としても広く使用されるようになりました。実際に、ある欧州の通信事業者では、従業員の半数が全社的なNPSに基づいた個人業績評価の導入を選択しました。

実際に、NPSによって加入者の満足度の優先度決めは容易になります。また興味深いことに、NPSは通信事業者間のみならず異業種間においても、競合企業をベンチマークする手段として利用されるようになりました。従業員にこの指標を選択した理由を尋ねたところ、「NPSはシンプルで理解しやすい」との回答が得られました。

ある欧州の通信事業者では、NPSの向上と収益の増加は明らかに比例するという関連性が見られました。この相関関係からも、NPSが確実で安定したロイヤリティスコアであることが裏付けられています。

結論: NPSを導入して失敗した通信事業者の例はありません。ロイヤリティスコアは通信事業者の間に確実に定着しつつあります。

事実2. ロイヤリティスコアの意味や改善法の把握がむずかしい

ロイヤリティスコアが広く普及し、ボーナスの査定にも影響を与えるとなると、定期的に目標数字を提示するだけでは不十分です。従業員は、ロイヤリティスコアがどのように計算されているのか、ロイヤリティスコアを改善するにはどうしたらよいのかという解決策を求めるようになります。

欧州の通信事業者の運用部門では、全従業員に対して定期的に様々なアンケートを実施すると共に、その結果と最新のNPSを提供しています。しかしながら、この取り組みから得られる結果は、十分に詳細でないことから有効利用が進んでいません。例えば、ある加入者のグループが音声品質の低さに不満を持っていることを掴んだとしても、それだけでは改善行動に移すことはできません。具体的に何が、いつ、どこで、なぜ問題だったのかを分析するための情報が提示されていないのです。

結論: ネットワークやサービスに関するカスタマーエクスペリエンスを含め、NPSに影響する要素を全て把握できている通信事業者は存在しません。

事実3. NPSのようなロイヤリティスコアは、ネットワークやサービスのカスタマーエクスペリエンスについて洞察を与えるものでなければならない

通信事業者は、モバイルサービスを提供します。世界中の加入者の40%以上が、仮に利用料金が値上げされたとしても、プロバイダは高品質のネットワーク及びサービスを提供するべきと回答しています(出典: ノキアによる「2014 Acquisition and Retention Study Report(顧客獲得と維持に関する研究レポート2014年度版)」)。欧州の通信事業者によると、ネットワークやサービス品質に不満を持つ顧客層(デトラクタ(批判者))を多く抱えたNPSは、「ゼロ」をはるかに下回り、マイナスの数値となる可能性もあります。仮に「-40」というNPSを気温に例えると、その極寒状態から温暖な気候(プロモータ(推奨者)が優勢なプラスの数値)に戻すには相当な努力が必要となります。反対に、加入者が高品質のネットワークやサービスに満足しているならば、プラスのロイヤリティスコアそのものが良い評判を呼び起こし、さらなる加入者を獲得するという好循環が期待できます。

通信事業者は多くの場合、カスタマーケア、通信事業者の小売店、法人向けサービス、ネットワークサービス等、加入者との多数のタッチポイント(接点)でNPSを測定しています。小売店での端末購入時の経験や、ヘルプデスクでのカスタマーサービスに満足している加入者であっても、ネットワーク(通話の切断やアプリケーションの不具合等)には不満を感じている可能性があるからです。

結論: 利用料金のみで他社と競争し、その結果ネットワークに不満を感じている加入者を失うことになってもかまわないという戦略をたてる通信事業者はいません。

通信事業者がロイヤリティスコアを最大限活用する一つの方法として、ノキアはCEM for Loyalty Scoreというソリューションをご提案します。これにより通信事業者のNPSに影響を与える要因を可視化する方法をご提供します。

カスタマーエクスペリエンスマネージメントに関するノキアのサービスの詳細については、こちらをご覧ください。