ビジネスに着目した、新たなトラフィックステアリング

HetNetの普及に対応し、通信事業者がパーソナライズサービスでの収益を上げるためには、OSS(Operations Support System)CEM(Customer Experience Management)システム等のコアネットワーク及び管理システムを導入すると共に、RAN(無線アクセスネットワーク)を利用した動的なトラフィックステアリングが不可欠です。ノキアは、この課題に対応した包括的なポートフォリオを提供します。

従来のトラフィックステアリングの課題

従来のトラフィックステアリングでは、QoS(通信品質)と固定パラメータを基準として最適なセルにデバイスを割り当てるロードバランシングを主流としていました。しかし、トラフィックパターンは常に変化しているため、固定のパラメータでは迅速な対応ができません。また、従来のトラフィックステアリングやロードバランシングでは、カスタマーエクスペリエンスやユーザ価値等が考慮されていません。より高度なトラフィックステアリングを採用することで、通信事業者は最大限のネットワークリソース活用、顧客間の区別、最適なカスタマーエクスペリエンスを実現することができます。

そのためには、OSS(Operations Support System)やCEM(Customer Experience Management)システム等のコアネットワーク及び管理システムを導入すると共に、RAN(無線アクセスネットワーク)を利用してトラフィックステアリングを行う必要があります。

管理レイヤの役割は、通信事業者の戦略や優先事項をポリシーリポジトリやネットワーク機器の設定に反映させることにあります。管理レイヤが無ければ、ネットワークを最大限に活用することができず、トラフィック管理機能は個別に構成されることになります。また、システム競合の制御が行われず、顧客の価値等の特定のインサイトを利用するチャンスもありません。

RANにおけるトラフィックステアリング

RANにおけるトラフィックステアリングは、アイドルモード及びアクティブモードの双方で実施されます。アイドルモードの場合、異なる無線テクノロジーあるいは同じ無線テクノロジー内の複数のキャリア間でデバイスが割り当てられます。これにより、不要なシグナリングやハンドオーバーを発生させることなくネットワークリソースを最大限に活用でき、ユーザ接続時に最適なカスタマーエクスペリエンスを実現することができます。

アクティブモードの場合、輻輳を最小限に抑えつつ、ネットワークリソース稼働率が最も高くなるようにネットワーク負荷が分散されます。

コアネットワークの役割

トラフィックステアリングはRANで稼動しますが、最適な運用のためにはコアネットワーク及び管理システム(OSS、CEM)のサポートが必要です。

コアネットワークはRANと並行で稼動し、一元的な監視ツールで集約されるネットワーク動作やユーザ行動に関する洞察を基に様々なトラフィック・ステアリング・ポリシーを適用します。これにより、特定のサービスやユーザを指定したWi-Fi等の無線に振り向けることができます。すなわち、トラフィックステアリングでは通信事業者の戦略のみならず、個々のユーザの特性を考慮した上で、顧客層やアプリケーションに応じた処理が可能となるのです。

ロードバランシングを有効化する際には、トラフィッククラスやユーザの優先度を考慮する必要があります。ただし、RANでは複数のトラフィック・ステアリング・メカニズムの同時実行が可能なため、構成が競合する恐れがあります。OSSを利用することで、トラフィックステアリングの自動化と応答性の向上に加え、競合を確実に回避することができます。

一元管理のメリット

トラフィックステアリングの一元管理により、通信事業者は無線ネットワークレイヤ全体を見渡した設定やKPI(主要性能指標)等の状態及び使用中のトラフィックステアリング機能を把握することができます。

また、対象範囲、顧客の優先度、サービスやネットワーク品質等のトラフィック・ステアリング・ルールの設定や有効化も可能です。各ルールに優先度を設定し、トラフィック・ステアリング・ルールによる効果を把握することも可能です。例えば、全レイヤのネットワーク利用状況と同時に、カスタマーエクスペリエンスやアクティブなルールの効果を表示することができます。

ユーザ数やトラフィックの種類、あるいはコンサートやスポーツ等のイベントの有無により、ネットワーク状況は常に変化するため、動的に対応することが不可欠です。

一元管理によって、想定外のアクセスの増加時にもネットワークパフォーマンス、サービス品質、カスタマーエクスペリエンス、ライフタイムバリューが維持されるため、動的なトラフィックステアリングによってビジネスバリューを確実なものとします。

包括的なアプローチ

ノキアは様々なソリューションやサービスを含む包括的なポートフォリオを提供し、戦略やソリューションの立案、導入、最適化、効率化を行う通信事業者を強力にサポートします。

通信事業者には、ネットワークレベルでのトラフィックステアリング機能の利用と共に、機能の有効化前後のサービス品質に関する洞察が必要です。

ノキアの品質保証ソリューションは、PM(Performance Manager)及びSQM(Service Quality Manager)を基盤としています。PMの利用により、全体的なネットワークの稼働状況を把握することができます。通信事業者が2G/3G/LTEのマルチベンダネットワーク全体のパフォーマンスとキャパシティを管理する上で役立ちます。また、SQMの利用により、テレコム及びITネットワーク全体のサービス品質をリアルタイムで把握することができます。SQMでは、サービス品質の低下を検出すると同時に、自社ネットワークやコンテンツサーバ等から問題箇所を正確に特定することが可能です。

ノキアは、WCDMAとLTE向けにDEM(Dynamic Experience Management)も提供しています。このソリューションでは、価値の高い顧客を明確化しネットワーク輻輳時の優先度を決定します。またNokia Trafficaとデータ連携し、リアルタイム分析プラットフォームを通じて、複数のネットワーク機器のアップデートの最適化と配信を行います。

ノキアは、ネットワークパフォーマンス全体の把握と、さらなるカスタマーエクスペリエンス管理の実現を目指します。