アンライセンスバンドでLTEのキャパシティを増強

公共施設における屋内セルや屋外ホットスポットを提供する通信事業者にとって、LTEのキャパシティ獲得は必須です。3GPPでは新たな取り組みとして、LTEをアンライセンスバンドで利用可能にする技術LAA(License Assisted Access)の標準化を検討しています。本レポートでは、今注目のLTE用アンライセンスバンドのメリットや利用上の条件、成功に無向けたポイント等をご紹介します。

LTE用アンライセンスバンドは家庭向けには利用されません。比較的範囲の狭い家庭用には既にフェムトセルやWi-Fiのようなオプションがあります。高キャパシティのLTE無線技術は、むしろホットスポットや企業内での利用に大きなメリットがあります。

通信事業者が注目している周波数帯は、2.4 GHzよりも帯域幅の広い5 GHz帯です。ほとんどの国では5 GHz帯が広く利用されています。ヨーロッパは、日本や韓国と同様に合計455 MHzの帯域が割り当てられています。さらに米国ではおよそ580 MHzが利用可能です。

アンライセンスバンドのメリット

5 GHzのアンライセンスバンドとLTE技術を組み合わせることにより、通信事業者が直面しているキャパシティ需要の増加に対処できるようになります。これには様々なメリットがあります。

まず、5 GHz帯で使用されている既存の技術に比べてスペクトル効率が高い点が挙げられます。LTE無線は最新技術に基づいているため、アンライセンスバンドを含む様々な周波数帯で、データレートの高速化とスペクトル効率の向上を同時に実現できます。ライセンスバンドと組み合わせることでカバレッジがさらに広がります。

また、アンライセンスバンドの利用により、既存の無線ネットワークとの統合が容易になります。ネットワーク管理、セキュリティ、認証等に複数のソリューションを導入する必要がなくなり、ネットワークのメンテナンスが簡単になります。さらに、LTEコアネットワークでLAAは透過的に利用され、EPC(Evolved Packet Core)機器のアップグレードが不要な点においても優れています。

アンライセンスバンドでの運用が可能になれば、アンライセンスバンドとライセンスバンドを同時に利用することで、データレートの高速化と総合的なパフォーマンスの向上が期待できます。万一アンライセンスバンドが使用不可になった場合も、キャリアアグリゲーションによりライセンスバンドがすばやく処理を引き継ぎ、サービス品質を確保します。

利用上の条件

アンライセンスバンドの利用には、同一周波数が使用中かどうかを検知できること、同帯域の他のユーザと共存可能であること等の規制条件が定められています。他のアンライセンスシステムとの共存はCCA(クリア・チャネル・アセスメント)やLBT(Listen Before-Talk)と呼ばれます。対象チャネルが使用中の場合は即時転送ができない可能性があります。

LTE技術はアンライセンスバンドの規制条件を満たし、他のLTEシステムや同じ周波数帯の他の技術(Wi-Fi等)と共存可能であることが既に証明されています。LTEとWi-Fiを20 MHzキャリアで同時に運用する場合、スムーズに共存できるように、どちらのネットワークでもLBTソリューションを使用する必要があります。

成功に向けて

企業内の環境にこのようなシステムを導入すれば、5 GHz帯域での空のチャネルを簡単に検出でき、LTEをフルに活用することができます。

アンライセンスバンドのLTEは、従来のLTEコアネットワーク上に存在し、既存のLTEセキュリティ及び認証フレームワークを使用します。このため、コア・ネットワーク・ドメインの変更は一切不要です。割ライセンスバンドとアンライセンスバンドを組み合わせて利用することで、キャパシティとピーク・データ・レートが大幅に向上するだけでなく、アンライセンスバンドで干渉が発生しても、変わらぬサービス品質を保持することができます。