用語集

【5】


5G-PPP

5G-PPP(5G Public Private Partnership)は欧州を中心とする業界団体であり、今後10年を見据えた次世代の通信インフラに対するネットワークアーキテクチャや技術ソリューションを提供することをその使命としている。5G-PPPでは5Gシステムで解決すべき技術課題を7つ挙げており、2010年比で1000倍の無線容量を提供することや、7兆個以上のデバイスが接続されるネットワークを実現することなどがこれに含まれている。

【C】


CDN(Contents Delivery Network)

音楽や動画等ファイルサイズの大きいデジタルコンテンツを、インターネットを経由して多数のユーザに安定かつ低コストで配信することを目的としたネットワーク。CDNでは、デジタルコンテンツをキャッシュするサーバを地理的に分散させて複数配置することにより、特定のサーバへのアクセスの集中を避け、ユーザ体感におけるレスポンスを向上させることが可能になる。

Cell_PCH(セルPCH)

4つあるUTRAN Connected Modeのひとつ。アップリンク・ダウンリンクともに、端末には個別チャネル(DCH)が割り当てられていない状態で、かつダウンリンクでは間欠受信により一斉呼び出しチャネル(PCH)を受信している状態を指す。この状態では、端末はネットワークとの接続を維持しつつ、呼出し等を間欠的にモニタして電池の消費を抑える動作を行なう。
端末はネットワークと通信をしていない場合、無線リソースを開放し、「Idle」と呼ばれる待機状態となるが、「Idle」から通信を開始すると、端末が通信状態に遷移するための多くの制御信号(シグナリング)が発生する。一方、「Cell_PCH」から通信状態への移行は、「Idle」から復帰する場合と比較して、半分以下の制御信号で移行できるので、制御信号トラフィックを大きく削減でき、さらに通信開始までの時間も短くなる。

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CoMP

Coordinated Multiple Pointの略。LTE-Advancedにおける主要技術の一つとして位置づけられており、一つのUEに対し隣接する複数のセル間で協調して送受信を行う技術を意味する。複数セルから同時にデータを送受信してスループットを増大させたり、複数セルで協調して無線リソースの割り当てを行うことにより干渉を低減することができる。特にセル境界でのスループットの改善と通信エリアの拡大に効果を発揮する。

 


C-RAN

Centralized Radio Access NetworkまたはCloud Radio Access Networkの略。無線アンプ部分とベースバンド処理部分を地理的に離れて設置させて光ファイバーで接続したアーキテクチャを有する基地局。ベースバンドを大規模化することで、無線アンプあるいはアンテナ間でのべースバンドリソースの共有化、協同動作等、次世代無線技術への導入のメリットが期待されている。

 


CSフォールバック(CSFB)

3GPP TS23.272にて標準化されている技術で、Circuit Switched Fallbackの略。LTEネットワークに在圏しているCSFB対応端末に対して音声サービスを適用する際に、サービスがトリガとなって一時的に3Gネットワークにフォールバックする仕組みのこと。音声サービスは、フォールバック後に3Gネットワークを介して従来の回線交換技術に基づいた仕組みにより提供される。フォールバックを実現するためには、CSFB端末はLTEネットワークだけでなく、3Gネットワークにもアタッチしている必要がある。

 

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【D】


Distributed Antenna System(DAS)

Distributed Antenna System(DAS)は、ハブサイトに設置した無線機出力を有線で接続し、必要な個所まで引き延ばした後に送受信を行うソリューションである。ハブサイトでは多くのシステムが必要になるが、そこからの敷設がアンテナとケーブルのみとなるため無線機出力を自由に配置できるメリットがある。設置条件が厳しい屋内での利用が盛んである。

 


DPI

IP(Internet Protocol)での通信は「パケット」と言われる小さい小包に分割して配送されることは良く知られています。DPI(Deep Packet Inspection)とは、これらのパケットの中身を細かく(ディープに)検査(インスペクション)する技術であり、OSI参照モデル最上位の第7層(アプリケーションレイヤー)までを検査の対象とします。もともとは、インターネット上での「悪意のある」通信に対する防御策の一環として開発されました。more...

【E】


eICIC

Enhanced Inter-cell Interference Coordinationの略。複数のセルが協調して動作することにより干渉低減を行うLTE-Advancedの主要な技術の1つである。端末があるセルで通信している場合に、その周辺のセルでは端末との通信に使用している時間を避けて使用することにより干渉を低減する。マクロセルとピコセルが混在するHetNetのような環境で使用される。

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【F】


Fast Dormancy(ファストドーマンシー)

スマートフォンメーカーによる独自仕様のソフトウェア制御で実現される、バッテリー消費を抑えるための通信制御機能。3GPP標準では、端末の状態レベル(「IDLE」「Cell_PCH」「Cell_DCH」等)を決定するのは端末側でなくネットワーク側であるが、メーカー独自仕様のFast Dormancyでは、データ通信を完了すると、端末の判断により、端末側からネットワークとの接続を切断し、「IDLE」状態に遷移する。Dormancyは「休止状態」の意味。データ通信完了の都度ネットワークから切断することで、端末の電力消費を抑え、バッテリーの持続時間が長くなるという利点がある。一方で、ネットワークへの接続・切断を制御するために送受信される信号(「シグナリングトラフィック」)が増えるため、ネットワーク負荷増大の要因となる。

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【H】


HDボイス

High Definition Voice。次世代の高音質音声サービス(ビデオコールを含む)の総称。技術的には VoLTE で使用される AMR-WBを包含する。
※下記のリンクから、音声の視聴ファイルにアクセスすることができます。
http://www.gsma.com/network2020/hd-voice/

 


HetNet

近年、スマートフォンやタブレットに代表される新しい通信端末の普及にともない、無線ネットワークにおけるトラフィックが爆発的に増加しています。今後10年で1000倍に増加するであろうという見方が一般的になってきました。そのようなトラフィック急増への対策として、今、注目を集めている技術がHetNet (Heterogeneous Network)です。

 

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【M】


MIMO

Multiple Input Multiple Outputの略。基地局及び端末それぞれが複数の送受信アンテナを用いて、各アンテナから異なるデータを空間的に多重して送受信を行うことによって高速なデータ伝送を行うLTEにおける重要な要素技術である。送受信に各々1つのアンテナを使用する従来の技術と比較して、各2本のアンテナを使用する2 x 2 MIMOでは2倍の通信速度が理論的には得られる。LTE-Advancedにおいて規定されている8 x 8 MIMOでは8倍の通信速度となる(理論値)。

 


mmWave(ミリ波)

30GHz以上の非常に高い周波数帯を指す。波長が10mm以下になることからこの名前で呼ばれる。これまであまり移動体通信には用いられることはなかったが、5Gシステムにおいての活用が期待されている。mmWaveにおいては1GHz~2GHzの帯域幅を利用することができ、この非常に広い帯域幅と革新的なビームフォーミング技術を組み合わせることによって、5Gの要件であるピークで10Gbps、セル端で100Mbpsといったスループットを実現することが可能になる。6GHzを超える周波数に関する最初のグローバル規模での割り当ては世界無線通信会議におけるWRC-18/19にて実施される見込みである。

【N】


Network Controlled Fast Dormancy
(ネットワークコントロールドファストドーマンシー)

3GPPのリリース8で規定された通信制御機能のひとつ。リリース8に準拠した端末はサポートが必須だが、ネットワーク側(RNC:無線ネットワーク制御装置)ではオプション機能。通信完了後に端末からネットワーク側に対して送信される切断要求メッセージであるSCRI(Signaling Connection Release Indication)の中にFast Dormancyの要求を意味する情報要素が追加された。このFast Dormancyの要求を受けたネットワークは、通信完了後、端末の接続状態をIdleではなくCell_PCH/URA_PCHなどの接続状態に遷移させることができる。これにより、ネットワークが端末の接続状態を適切に制御することができ、シグナリングの低減と電池寿命の改善を図ることが可能となる。

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NFV(Network Function Virtualization)

モバイルコアネットワーク上で定義されている様々な NE (Network Element) を仮想化環境上で運用することにより、NE 毎に固定されていたハードウェアとアプリケーションを分離するコンセプト。ハードウェアリソースの共有化/最適化 や対障害性の向上、ネットワーク拡張の柔軟性の向上が見込まれる。一般的に x86 の汎用ハードウェア上で運用することを前提としており、これまでは専用ハードウェアを採用が多かったモバイルネットワークの「IT化」とも位置づけられる。ETSI (欧州電気通信標準化機構) で議論が進められている。

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【O】


Offload(オフロード)

モバイルネットワークにおけるオフロードは、本来負荷のかかるシステムとは異なるシステムに負荷を分散させることを指す。これによりモバイルネットワークの負荷を下げ、ネットワークの活性化を実現する。例えば、3GデータトラフィックをWifi経由に切り替えるデータオフロード、FemtoセルのデータトラフィックをFGW(Femto Gate Way)でインターネットにオフロードする、「ローカルブレークアウト」もオフロードの1つとなる。

 


OSS(Operation Support System)

携帯電話等の通信事業者が自社のネットワーク運用とエンドユーザに対するサービス提供のために必要となる運用支援システム。ネットワーク監視、設備管理、顧客管理、課金管理、認証・セキュリティ管理等、幅広い分野の情報システムで構成される。

 


OTT(Over-The-Top オーバーザトップ)

通信事業者を介さず既存の ブロードバンドネットワーク上で提供されるテレビ放送や動画配信等のサービスの総称。サービス提供者はOTTプレイヤーと呼ばれ、スマートフォンの普及とモバイルブロードバンド通信の進化によって、その市場機会は拡大傾向にある。OTTサービスの中には音声通話やメッセージ等競合するものもあるため、通信事業者にとっても脅威となっている。しかし、通信事業者間で異なるサービスを共通化して利用できる相互接続性を確保したリッチコミュニケーションサービス向けフレームワーク「RCS(Rich Communication Suite)」(GSMAが策定中)等の対抗策を打ち出してきている。

【R】


RRC接続

RRC(Radio Resource Control)はlayer 3に位置づけされる無線リソースを制御するプロトコル。RRC状態はRRCアイドルあるいはRRC接続。RRCアイドル状態は移動機の消費電力が一番抑制されている状態で(待ち受け状態とも呼ばれる)、移動機は基地局にデータを送信することが出来ない。RRC接続状態とは、上り回線及び下り回線の通信が可能になるように必要な無線リソースが確保されている状態を指す。

 

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【S】


SDN(Software Defined Network)

パケット通信装置において「トラヒック転送機能」と「機器制御機能」を分離し、各装置に共通の「制御信号」(Openflow等)を定義することで、ソフトウェア(SDNコントローラ)によるパケットネットワークの制御を可能にするコンセプト。従来のネットワーク機器は、ベンダ/製品毎に独立した OS やAPI を実装しておりネットワーク設計は硬直的であったが、SDN を導入する事によって、ネットワークの集中管理によるコスト削減、及びネットワークの仮想化よる柔軟な設計や迅速かつ正確な収容変更が可能になる事が見込まれている。最近ではOpenDaylight 等に置いて、SDNコントローラを外部ソフトウェアから制御可能とするNorthbound APIの標準化の議論が進んでいる。


Small Cell(スモールセル)

セルサイズ規定について3GPPでは、20dBm以下を「Home BS」、24dBm以下を「Local Aria BS」、それ以上を「Wide Area BS」と定義しているがスモールセルについて現在までに明確に定義されているものはなく、各ベンダがそれぞれ提案・定義を実施している。各社の提案を総合し、一例として纏めた参考を以下に示す。

項目 フェムト
セル
(屋内)
ピコセル
(屋内)
フェムト
セル
(屋外)
ピコセル
(屋外)
マイクロ
セル
マクロ
セル
送信
出力
10mW~
100mW
100mW~
250mW
900mW~1W 1~5W 5~10W 10W以上
エリア
半径
100m~200m 250m~500m 500~750m 0.5~1.5km 1~3km 1~25km
平均
サイズ
5x8cm 10x10cm 20x20cm 20x30cm 40x30cm 50x60cm
重量 1kg 1.5kg 2~3kg 2~4kg 4~6kg 10~15kg
最大
ユーザ数
8~16 16~64 8~32 16~64 64~256 256以上
主な
設置場所
屋内
一般家庭
屋内
一般家庭
企業
屋外
街灯柱
建物外壁
電柱
屋内
屋外
街灯柱
建物外壁
電柱
建物外壁
屋上、屋外
電柱
アンテナ塔
屋上、屋外

『出所:調査会社レポートなどを参考にノキア作成』

 


SR-VCC

3GPP TS23.216にて標準化されている技術で、Single Radio Voice Call Continuityの略。LTEネットワークにおいてVoLTE通話を行っている端末が、LTEのエリアカバレッジを外れて3Gエリアに移動する際に、音声通話を継続しながらLTE→3G方向のPS・CSインターシステムハンドオーバを実現するための技術。LTEのエリアカバレッジが十分な状態でないが、VoLTEを導入したい場合の選択肢の1つ。


SV LTE

Simultaneous voice and LTEの略で、音声用の無線アクセスと、データ通信用のLTEアクセスを併せ持つ端末のこと。一般に音声用の無線アクセスはCDMAであり、北米のCDMA系通信事業者を中心に普及している。 従来のCDMA端末は、音声サービスとデータ通信サービスの同時利用が出来ないという制約があったが、”Simultaneous voice and LTE”端末では同時利用が可能となっている。

【え】


エッジコンピューティング

ユーザに近いアクセスネットワーク上にエッジサーバと呼ばれる多数のサーバを設置して、アプリケーション、データ、またはサービスの分散処理を行うコンピューティングアーキテクチャ。従来のクラウドコンピューティングでは、ユーザは遠く離れたセンター拠点と通信を行うため、応答時間が大きくなるケースがあった。エッジコンピューティングでは、アプリケーション、データ、またはサービスをユーザに近いアクセスネットワーク上に置くことにより、応答遅延だけでなく通信時間そのものを大幅に削減できる。特にリアルタイム性が要求されるアプリケーションや膨大なデータを扱うビッグデータの処理に有効と考えられている。

 

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【き】


キャリアアグリゲーション

キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)とは、複数のキャリア(搬送波)をアグリゲーション(束ねること)により、ユーザスループットを向上する、LTE-Advancedの主要な技術の一つである。CAと表記されることもある。アグリゲーションされるキャリアは連続、非連続、同一周波数帯域内でも異なる周波数帯域同士でも良い。CAにより最大5キャリア、100MHz幅までの通信が可能となり、最大スループットは下り3Gbps(8x8MIMO)、上り1.5Gbps(4x4MIMO)となる。

 

【こ】


コグニティブ無線技術

現代社会において無線通信によるコミュニケーションは欠くことができないものであるばかりか、ますます、その重要性を増してきています。従来の音声を中心とした通信需要に加え、近年のスマートフォンに代表される高機能な小型端末の出現によって、通信速度をはじめとする無線通信技術への要求は今後飛躍的に拡大していくものとみられています。
一方で無線通信システムに対する周波数割り当ては非常に逼迫した状況にあります。特に移動通信に適していると言われる数百MHz~数GHzの周波数帯においては、周波数の再編等により今後も新たな周波数の割り当てが計画されているものの、それでもまだ将来の通信需要に対応するのは困難だとの見方もあります。この様に限られた資源である無線周波数を、極限まで効率的に利用できるようにする技術が、コグニティブ無線技術です。

 

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【と】


トランスミッションモード

Transmission Mode (TM)は下り回線で特定の移動機に対して基地局が使用する通信方式のことを指す。LTEは3GPP Release 10では9つのTMに対応可能。TMによって通信方式の特徴が異なり、例えば通信速度重視のTMや通信カバレッジエリア重視のTMや動的に変調方式を適応するTMがある。Release 10で初めて標準化されたTM9では、以前より通信効率が向上することが期待されている。