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「Nokia Connected Future 2017」ポストイベントレポートを公開

Date: 
20 December 2017
Location: 
Tokyo

5Gを現実にするノキアの技術とネットワークの未来

 11月30日、Nokiaの最新テクノロジーやソリューションをご紹介するイベント「Nokia Connected Future 2017 ~人と社会を技術でつなぐ~」が開催されました。オープニングと3つのキーノートの概要をお伝えします。

オープニング
5Gでもっと未来はクリアに
ノキアソリューションズ&ネットワークス代表取締役 ジェイ・ウォン

5Gの実用化は想定以上に加速しており、牽引しているのはアジア、特に日本です。

 我々はこれまでに何度かの産業革命を経験してきました。第一次産業革命は蒸気、第二次産業革命は電気、これは物理世界の革命です。第三次産業革命であるITは仮想世界での革命です。第四次産業革命は物理世界と仮想世界を結び付けるものであり、その中心にあるのが5Gです。5Gは想定以上に加速しており、牽引するのは日本を中心としたアジアです。

 我々はこれまでに何度かの産業革命を経験してきました。第四次産業革命は物理世界と仮想世界を結び付けるものであり、その中心にあるのが5Gです。5Gは想定以上に加速しており、牽引するのは日本を中心としたアジアです。

5Gは投資効率よく大容量データ通信を提供し、ユーザーごとに異なるさまざまなスループット要件に対応します。また、ネットワークアーキテクチャを変え、エッジを重視することで、超低遅延で高速なネットワークを実現します。

5Gにはさまざまなユースケースがあります。韓国のKT(Korea Telecom)とは、平昌オリンピックの中継で、VRやARを活用した臨場感あふれるコンテンツを提供します。4K/8Kの映像伝送は、AIカメラによるセキュリティの向上に大いに役立つでしょう。超低遅延の無線ネットワークは工場のIoT化にも貢献します。

もう一つ重要なのがセキュリティです。仙台市とノキアは、2011年の東日本大震災からの復興を支援し、市民生活の質を向上させるために、ドローンやLTE技術などのノキアの最新技術を提供する連携協定を締結しました。大きな災害があった時には防災システムも被災します。電気がなくても動作する災害復旧機能を提供します。5Gは娯楽や生産性だけでなく、人命を救うことができるテクノロジーなのです。

1年前、私たちの前には未知の海域が横たわっていますというお話をしました。今、私には、業界や産業界にノキアが明確な方向性を示し、そちらへと向かっていくビジョンが見ています。我々は5Gで、第四次産業革命へと巻き込まれていくのです。

Keynote1
ノキア、ベルラボのイノベーションと歩む5Gへの道
ノキアベル研究所 フェロー
ハリー・ホルマ

2011年に発表した「Vision 2020」で、ノキアは2020年に「1人・1日・1Gbps」を配信できるネットワークの実現を目指すと言いました。当時はそんなことは無理だ、そんなユースケースは無いと言われました。しかし数週間前にフィンランドのモバイルデータを調べてみると、人口550万人に対して3つのキャリアが1日5500TBを配信していることがわかりました。既に「1人・1日・1Gbps」は達成されていたのです。

2011年のビジョンはむしろ保守的でした。我々は新しい無線技術で、もっとキャパシティを提供できるようにならなくてはいけません。それが、5Gに取り組むモチベーションです。

5Gでは、異なる周波数帯を組み合わせることで、カバレッジとキャパシティを両立します。3.5GHz帯や4.5GHz帯などの高い周波数では、広い帯域で、かつビームフォーミング・Massive MIMO技術を使い2Gbpsを実現します。低い周波数帯は、屋内にも電波を浸透させ、IoT向けの低遅延サービスを行います。ミリ波帯は特にキャパシティが必要なエリアに、1000MHz幅を使って20Gbpsを実現します。スタジアムや、固定モバイルソリューションが必要な場所で提供します。3.5GHz帯、4.5GHz帯が使えるようになれば、すべての家庭にモバイルで1TBのトラフィックを提供することも可能になります。光ファイバーに比べるとまだ見劣りするかもしれませんが、それでもファイバーが敷設できなかったり、開通に時間がかかる部分を補完する技術になります。

他国に比べると日本は加入者に対する基地局の数が多く、ネットワークの品質が良い国です。基地局密度が高いということは5Gの高い周波数でもカバレッジが作りやすいということになります。ベンチマーキングを見ると、カバレッジは世界最高ですが通信速度は平均的であり、まだまだネットワークには改善の余地があることが分かります。

鍵になる技術要素の一つはMassive MIMOです。アクティブアンテナ内にRFユニットを一体化することで、ビームフォーミングが可能になり、干渉を最小化できます。この技術は無線利用効率を今後数年間は更新することになるでしょう。

低遅延化に貢献するのがノキアのパケットスケジューリングソリューションです。IoTなど超低遅延伝送が要求される通信のパケットをスケジューリング済みの送信に上書きすることで、超低遅延かつ高信頼の通信が可能になります。エッジコンピューティングを加速するクラウドRANも重要です。

IoTの接続も最適化されます。Cat-M/NB-IoTのチップはスマートフォン対応に比べて小型・省電力で、価格もWi-Fiとほぼ同じにまで引き下げられました。ノキアは5Gに関するさまざまな技術開発に貢献しています。

Keynote 2
The power of "and"
ノキア 固定ネットワークス プレジデント
フェデリコ・ギーエン

5Gはモバイルネットワークだけで構成されるのではなく、固定ネットワークとモバイルネットワークを協調して動かすことは必須です。「Andの力」というタイトルは、両社が補完し合う関係性を表現しています。

2017年現在、ブロードバンドネットワークの世帯カバレッジは53.6%となっています。しかし平均速度は7.2Mbpsにしかすぎません。すべての人が自宅で1Gbpsを利用できるようになるには、あと10年かかるでしょう。4K/8Kでテレビや映画を楽しむには、100Mbpsのストリームが必要です。つまり家庭にもギガビットのネットワークが必要になるのです。成功しているオペレーターは固定とモバイル、両方をサービスしています。

1Gbpsのカバレッジ100%を達成するために最も確実なのは全世帯に光ケーブルを引くことですが、それは現実的ではありません。100%のカバーには40年から50年はかかりそうです。ノキアのVDSLベクタリングとG.fastなら、メタル回線で光ファイバーと同様の速度をより早く実現できます。Docsis3.1によるケーブルのアップグレードも有効です。アップグレードもワイヤレス接続の方が合理的であれば、WiGigあるいは5GによるFWAという方法もあります。

さらに次世代のネットワークに向け、25Gbps、100Gbpsを目指した技術の標準化に取り組んでいます。これらのインフラは家庭の固定回線とモバイルバックホールを提供します。フロントホールもバックホールも提供可能な固定通信網のプロトコルを現在開発中です。

「Andの力」の1つめは、固定ネットワークとワイヤレスネットワークです。これらは合わさって、より多くの人を高速に接続します。2つめはキャリアグレードWi-Fi提供により、オペレーターがより効率よく家の全体の通信を最適化することです。そして3つめはクラウドによるシンプル化と自動化です。我々の固定ネットワークはインテリジェントアクセスであり、より多くの人をより速く、より良く、よりスマートに接続する次世代ネットワークを実現します。

Keynote 3
ネットワークの進化、SDNの終盤
Nuage Networks from Nokia ビジネス開発バイスプレジデント
チャールズ・フェルランド

SDN(Software-Defined Networking)とは、ネットワークのプロビジョニングを自動化する技術です。ほとんどの場合、ネットワークの設定は技術者が手動で行いますが、複数のネットワーク製品に対して複雑な設定を行う必要があり、エラーが発生しやすいという問題があります。SDNはネットワークのテンプレートを作成し、アプリケーションを配信するようにネットワークのインスタンスを動的に設定します。

Nuage Networks(以下Nuage)は、SDNコントローラーのプラグインとして、ネットワークのテンプレートを要求に応じて配信・設定します。明らかなメリットは、自動化によってネットワーク設定の時間を短縮できることです。例えばWAN上のVPNを設定する時、従来であれば何十回となく通信事業者に連絡して、その後数日後に工事日が決まりようやく接続できたのが、Nuageのソリューションを使えば、ユーザーがセルフサービスポータルからリクエストするだけで、必要なネットワークテンプレートが適用され、新しいVPN接続が利用できるようになります。

NuageはSDN、ネットワークの仮想化にフォーカスしています。その本質的な価値は、ユーザーとアプリケーションを結び付けることです。

Nuageのソリューションは全てソフトウェア上で設計されており、既存環境に実装できます。VCS(Virtualized Cloud Service)はクラウド間を接続し、VNS(Virtual Network Services)は分散した場所・拠点を接続します。これらはIPルーティング的な複雑さではなく、アプリと利用者の間を関連づけ、ネットワークポリシーを抽象化し、より利用者が簡易に使えるようにしています。

その結果、エンドツーエンドの境界のないネットワークを自動作成できるようになっています。そしてユーザーサービスをオーバーレイすることができます。Nuageの大切な役割は、「IPの付与」にまつわる作業をネットワークのテンプレートを提供することによって自動化することです。

それはOPEX削減につながりますが、それだけでなく新たな収益源につなげるという切り口が必要です。例えばテレフォニカは、SD-WANをOPEX削減を目的に導入し、テンプレートを利用してネットワーク設定コストを6割削減しただけではなく、ネットワークマネージドサービスという新たな付加価値を提供することができるようになりました。

課題は、ダイナミックな環境を守るためのセキュリティです。NuageのVSS(Virtual Security Service)は、高度なDPIによってアプリケーションを識別し、粒度の細かいセキュリティポリシーを適用します。閾値を設定することによって怪しい動作を検知したら、自動的にネットワークの一部を遮断することで環境を守ります。

Nuageは、複数のSDN環境を統合し、エンドツーエンドのネットワークを提供します。お客様はより高いレイヤーの付加価値サービスを短時間でデプロイできるようになるのです。

 

 

現実の変革を支援する通信技術・ソリューションを展示

Nokia Connected Future 2017では、講演と並んでノキアが提供するソリューションや技術の展示も行った。2017年の展示の特徴は、将来の夢物語ではなく、現実の変革につながる地に足の着いたソリューションや技術、製品が並んでいたことだ。その中から、特徴的な展示やデモをピックアップし、概要を紹介する。

  • MEC(Multi-access Edge Computing)

端末に物理的に近い場所へサーバを配置して低遅延の応答性を確保するMEC(Multi-access Edge Computing)。そのソリューションを紹介するコーナーでは、スタジアムを想定したユースケースのデモを実施した。デモ環境では、4台のカメラで会場の映像を撮影。同じく会場内に設置したNOKIA Airframeサーバでリアルタイム動画配信MECアプリを動作させていた。デモは、専用アプリを搭載した複数のスマートフォンから、会場の映像をWi-Fi経由でサーバにアクセスしリアルタイムに視聴できることを示したもの。さらに4台のカメラ映像をスマホアプリから自由に切り替られる視聴体験も提供した。デモではカメラからスマートフォンまでのエンドツーエンドの遅延は500ミリ秒ほどで、少しだけ映像が遅れて表示されていた。この遅延のほとんどはビデオエンコーダと端末デコーダの遅延とのこと。MECによる遅延は数ミリ秒でありほとんど無視できるほどで、エンコーダーの性能を高めれば低遅延化が可能だとの説明があった。ノキアでは、テニス、フットボール、野球などのスポーツを中心に「エッジビデオオーケストレーション(EVO)」と名付けたソリューションとして、スタジアムなどでの展開を行っていくという。

  • パブリックセーフティを実現するミッションクリティカル通信

ノキアが力を入れている分野の1つにパブリックセーフティ(公共安全)がある。防災や減災の対応、警察、消防、救急などでは、ミッションクリティカルな通信が求められる。パブリックセーフティのコーナーでは、通信が断絶して本来業務に支障が生じることがないようにするための可搬型のLTEネットワーク(Ultra Compact Network:UCN)を展示した。UCNは、重量を30kg以下に抑えたバックパック型の装置に仕立ててある。その中に、LTE基地局からLTEコア機能、音声通信やグループコミュニケーションのサービス機能まで、LTEネットワークを構成する要素が全て含まれている。バッテリーで駆動し、アンテナを接続するだけで、周囲に400端末以上を収容できるLTEのローカルネットワークを構築できるというものだ。デモではUCNを利用して、音声だけでなく映像も使った同報通信や、危険が発生したときのアラートの一斉通知などができることを示した。ノキアは、2017年11月に仙台市と防災・減災へ取り組む連携協定を結んでおり、UCNのようなソリューションも含めて日本におけるパブリックセーフティに貢献することをアピールした。

  • 世界最高処理能力を誇るIPルーティングプラットフォーム

ノキアは携帯電話メーカーを経て、今ではエンドツーエンドの通信インフラを一手に提供する企業へと変化している。そのことを示す一例が、IPルーティングプラットフォームの展示であった。IPルーティングプラットフォームは、一口で言えば高速なルーター製品群であり、その心臓部となるルーティングチップセット自体をノキアは自社で開発している。それがルーティングチップセットの第4世代となる「NOKIA FP4チップ」である。FP4は、小型化を進めながら2.4Tbpsという超高速なトラフィックのスイッチングに対応する。展示では、FP4を搭載した最新のルーター製品群の「7750 SR-s」の中から、9.6Tbpsのスイッチング容量を持ちながら2RUとコンパクトな「7750SR-1s」を静態展示した。高い性能を持つFP4を搭載することで、ルーターがトラフィックのデータパターンやビット列をリアルタイムに判別してルーティング処理をすることが可能になる。例えばトラフィック分析プラットフォームのDeepfieldと組み合わせることで、DDoS(Distributed Denial of Service attack)攻撃のトラフィックが発見されたときにリアルタイムにルーター側のプログラムをプログラムして、対象のトラフィックを止めるといったセキュリティソリューションが容易に実現できるとの説明があった。

  • Deepfield:IPネットワーク分析とDDoS 保護

ネットワークに何が流れているか。トラフィックをリアルタイムかつ正確に知ることは、効率的で安全なネットワーク運営に欠かせない。しかし暗号化された通信やCDNを介したトラフィックのように、DPIなど既存の方式では解析できない通信が増えている。ノキアのトラフィック可視化ソリューションのDeepfieldは、既存の手法でカバーできないトラフィックも可視化できるようにするソリューションである。インターネットに接続する膨大なエンドポイントのIPアドレスの振る舞いをクローリングして解析する「cloud genome」などの新技術を組み合わせて実現したものだという。さらにDeepfieldはソフトウェア製品であり、DPIのような専用装置が不要で多くのトラフィックの可視化ができる点も訴求していた。デモでは、トラフィックがどのCDNを使っているかなどの情報をダッシュボードに表示し、ネットワーク最適化のためのツールとして効果があることを示していた。

  • E2Eサービスオーケストレーション

E2Eサービスオーケストレーションとは、物理システムと仮想システムをまたいだエンドツーエンドのサービスオーケストレーションを実現するソリューション。今回のデモで核となるのは、ノキアが買収したComptelの技術である。仮想化が進展する過渡期の現在、データセンターや本社では仮想システムによる運用が行われているが、支店などは物理的なルーターなどのCPE(顧客構内設備)による物理システムが稼働していることが多い。これまではサービスの提供に当たって、仮想システムを管理するNFVOと物理システムを管理するトラディショナルOSSをそれぞれ別個に管理して連携する必要があった。ノキアではComptelの技術の「FlowOne V」を介在させることで、物理システムと仮想システムをまたいだオーケストレーションを実現。デモでは、グラフィックユーザーインターフェース(GUI)を使って視覚的な操作を実演した。具体的には、CPEやクラウド上のリソースをカタログから選択し、サービス内容を定義する簡単な操作で、物理システムと仮想システムをつないだサービスを提供できることを示した。

  • ノキア・イノベーション・プラットフォーム ユースケース

ネットワーク機器やソリューションの提供だけでなく、ノキアはスタートアップやベンチャー企業の発掘にも力を入れている。その活動の中核となるのが、ノキア・イノベーション・プラットフォームだ。ノキアがIoTのユースケース検証などを行えるプラットフォームを用意し、パートナー企業と連携してアイデアの具現化を後押しする。ノキア・イノベーション・プラットフォームが設置されたのは、フィンランド、フランスに次いで日本が3カ国目となる。ブースでは、複数のパートナー企業と連携したユースケースをデモで紹介した。デモでは、様々なセンサーをそれぞれLoRa、LWM2M、MQTTなどの異なる通信方式で接続し、ノキアのIoTプラットフォーム「IMPACT」を介して必要に応じた複数のアプリケーションで分析、可視化できることを示した。こうした国内におけるスタートアップ発掘の取り組みは、仙台市との連携協定の枠組の中でも生かされる計画で、地域活性化の支援などにもつながっていく。

  • G.Fastによる固定ブロードバンド高速化

集合住宅などで、棟内の通信回線として銅線の電話線を利用しているケースは少なくない。アナログ回線上に高速なデジタルデータを流すVDSL技術を活用して、ラストワンマイルの高速通信を実現している。そのVDSLの拡張技術として、格段に高速化な通信が可能な「G.Fast」が規格化されている。ノキアは、電話線を活用しながら高速なインターネット接続を可能にする技術の「G.Fast」についても技術・製品開発を進めており、Connected Future会場では展示とデモが行われた。G.Fastは、最大で1Gbpsを超えるデジタルデータ通信を電話線で可能にする。ブースには、建物の主配線盤(MDF)側に設置する屋内型および屋外型のG.Fast機器のラインアップと、居住者宅内の複数のモデム機器を展示した。デモでは、50mの電話線を介して負荷をかけた状態で、G.Fast 212MHz規格で下り約1Gbps、上り約500Mbpsの通信のスループットが得られることを示した。光ファイバーの敷設をすることなく、4K/8K映像の伝送にも耐えられる高速ネットワークが既設の電話線環境ですぐに提供できることをアピールした。

Upcoming Events

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