「5G」が推進するモバイルネットワークとITが融合した世界 ――ITpro EXPOセッションリポート~5Gは無線通信技術を支えるだけでなく アプリやユースケースを生み出すインフラに

Date: 
30 October 2015
Location: 
日本

5Gは無線通信技術を支えるだけでなく
アプリやユースケースを生み出すインフラに

ここでモデレーターの中道氏が、5Gの今後の動きについてパネリストにコメントを求めました。まずNTTドコモの奥村氏は、「5Gの話題は世界中で議論されていて、それぞれの国でプロジェクトが立ち上がっています。日本ではどうかというと、総務省が第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)を設立し、通信事業者、国内ベンダーだけでなく海外のベンダーも参加して議論を行っています。2020年までの商用化にたどり着けるように検討しています」と語ります。

さらに奥村氏は、「現状ではシミュレーションによる検討が中心ですが、実際の5Gの装置を使ってどのぐらいの能力を備えているかを検証する必要があります。2017年から5GMFで5Gシステム総合実証試験が行われます。そこで、商用サービスの前に、知恵を出しながら実証の場で再現できることを検証していきたいと考えています」と続けました。

グローバルの見地から野地は、「現在までは5Gではアジアが牽引役を果たしています。日本はもちろん、韓国では2018年の平昌オリンピックをターゲットに5Gの商用化を目指していますし、中国も業界のリードを目論でいます。一方で、北米では5Gネットワークを2017年にも商用ベースで実現していく構想もアナウンスされています。2017年はまだ標準化も完成していないタイミングですが、その後の標準化の流れにも柔軟に追従していけるようなアプローチが求められるでしょう」と説明します。5Gの実用化をこうして各国が先を急ぐ状況については、「5Gは無線技術だけでなくアプリやユースケースと深い関連があります。アプリやユースケースを早く見極めて、世界をリードしたいという思惑があるのではないでしょうか」と考えを述べました。

アプリやユースケースについてNTTドコモの奥村氏は「5Gのキラーアプリは何かとよく問われます。具体的なアプリやユースケースについてはまだ答えが見えていません。しかし、ネットワーク自体が高いフレキシビリティーを持つ5Gでは今までにないサービスが生まれやすいと考えています。とても高速なサービスとしても使えるし、超高信頼性のサービスにも使えるわけです。さまざまな産業で応用しやすい新世代のネットワークになると期待しています」と語ります。

また野地は、「5Gの時代には先に説明したような分散型のクラウドが実現されると考えています。コンテンツやアプリだけでなく基地局やコアネットワークも分散型のクラウド上で稼働するというものです。これまでの無線ネットワークは、ITから見るとインフラとして使う分離されたものに感じられていたかもしれませんが、5GではITと無線ネットワークの融合が進むでしょう。IoTの各種センサーだけでなく、無線ネットワークから得られる利用者や通信環境の情報も含めて、多くの情報を活用した新しいアプリケーションが生まれてくる素地があると思います。IT業界の方々と一緒に新しいアプリケーションを作っていけるネットワークが5Gなのです」と、ITとモバイルネットワークの融合が新しい世界への扉を開くことを来場者にアピールしました。

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